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【記事掲載】阿部浩己教授『ウクライナ避難民受け入れの陰で続く「鎖国」状態 難民考える機会に』|朝日新聞デジタル

2022520日(金)、阿部浩己教授のコメントが朝日新聞デジタルに掲載されました。

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ウクライナ避難民受け入れの陰で続く「鎖国」状態 難民考える機会に|朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASQ5N4QF2Q5FPTIL02C.html

(以下、一部抜粋)

ウクライナ避難民受け入れの陰で続く「鎖国」状態 難民考える機会に

記者解説 大阪社会部・浅倉拓也
ウクライナから日本へ避難する人々に、官民挙げての支援が広がっている。難民鎖国といわれてきたことを考えれば異例だが、これまで難民支援に携わってきた関係者の表情は浮かない。ほかの国からの人々への対応との差があまりに大きいからだ。

ウクライナから自力で来られない人は、政府専用機や国が借り上げた民間便で迎えている。一方、イスラム主義勢力タリバンから逃げるアフガニスタン人を日本に招こうとしても、まずビザが出ない。

国はウクライナから来た人に一時金16万円(16歳以上)、生活費1日1人2400円(12歳以上)などを出している。だが、ほかの国々の難民申請者の大半は、知人やボランティアに頼って生きるしかない。国の外郭団体が生活費を支給する制度もあるものの審査は厳しく、認められても1日1600円(同)だ。

そもそも日本は難民条約に基づく難民の認定に高いハードルを設けている。ウクライナの人々は「避難民」と呼んで「難民」と区別し、特例的に受け入れているのだ。国民の約半数が難民となったシリア内戦でも、こうした対応はなかった。

難民問題に詳しい明治学院大の阿部浩己教授は「人道という名の下での極めて政治的な判断だった」とみる。米欧と足並みをそろえ、ロシアに対抗する立場を明確にする意味があったというわけだ。

1978年、国際社会からの強い要請で日本がインドシナ難民の受け入れを特例的に決めた時と似ている。これがきっかけとなり、日本は難民条約に加入した。

今回は世論も後押しした。外務省が3月に実施した世論調査では、ウクライナ問題で日本が特に力を入れるべき措置として63・7%が「避難民の受け入れ」と答えた。国会では与野党が「速やかな受け入れを」と声をそろえた。

一方で難民認定は厳しいままだ。昨年の認定者数は74人で例年より多かったが、申請の結果が出たうちの1・5%。主要国では極端に低い。

最も多く認定されたのはミャンマーで32人。申請者が約3千人いたこと、昨年2月のクーデター後の市民への弾圧が続いていることなどを考えると「あまりに少ない」と支援する弁護士らは言う。在留資格だけが認められた例もあるが「就労は週28時間以内」という制限付きが多いという。「出稼ぎが目的では」などとする偏見が透けて見えるかのようだ。

世界では政変や紛争が相次ぐ。米国は最近、国内にいるカメルーンやスーダンの人々に在留や就労の許可を一斉に出すと決めた。日本ではこれらの国々からの難民申請はほとんど認められていない。

ウクライナの避難民についても、特例的な受け入れのままでは、地位が不安定だとの意見がある。

ウクライナ問題では、国を逃れる人々を温かく迎える機運が高まった。難民条約は、出身国による差別を禁じている。日本としてより人権の視点に立った受け入れを考える機会にするべきだ。

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