日本 島根県 熊本県・宮崎県 沖縄県 静岡県・三重県・和歌山県・奈良県・熊本県 島根県 賴ゼミ 中山間地域・離島地域に学ぶ公共政策のあり方 主な訪問先 【島根県】 飯南町(中山間地域研究センター、谷笑楽校) 邑南町(食の学校、うづい通信部) 海士町(隠岐国学習センター、あまマーレ、しぜんむら) 先生メッセージ 今回の実習を通じて、日本の地域社会の置かれた状況について理解を深めました。 大きな課題に直面している地域ばかりでしたが、「自分たちはどんな地域に住みたいのか」、「(よく生きるために足り)ないものはない」などのスローガンのもと、自立心にあふれる地域づくりが進められていました。これからの日本社会を展望する上でたくさんの気づきを得ることができました。 ゼミ生メッセージ 島根県の中山間地域・離島地域を訪問し、地域再生の取り組みについて学びました。 地方が抱える超過疎化、超高齢化、財政危機などの課題は、どれも一部の地域における問題にとどまらず、日本全土、ひいては発展を目指し続ける世界全体にも共通する深刻な問題です。 今回訪れた島根県飯南町、邑南町、海士町は、それぞれ取られている打開策は異なるものの、その土地の気候風土、住んでいる人々の思い、地域の歴史を踏まえてまちづくりが行われているという共通点がありました。 都市を発展させ、地方を消失させることで経済システムを維持するのではなく、両者が共存する新しい価値観とシステムの創造が必要なのだと気づくことができました。 熊本県・宮崎県 林ゼミ ソーシャルな現場で活躍する方々の生き方に触れる 主な訪問先 【熊本県】 西原村(災害公営住宅) 熊本市(ピュアリィ、ゆずり葉) 山都町(下田茶園、農業体験(主に有機農業)) 水俣市(相思社、水俣病資料館、ほっとはうす) 【宮崎県】 諸塚村(くぬぎの森のガイドツアー、木のお弁当「めんぱ」づくり) 先生メッセージ 林ゼミの校外実習の最大の特徴は、学生が主体となって訪問先を考えていくことにある。2019年の校外実習では、水俣班、諸塚村班、山都町班、ソーシャル班の4班に分かれた。水俣班をつくることだけは決めていたが、そのほかの班は、学生の要望を聞いたうえでつくった。 2019年8月の校外実習本番までとそれ以降のスケジュールについて簡単に紹介する。2018年の秋学期の最初にゼミ生の興味・関心を聞き、そのうえで班分けした。その後、班単位で具体的な訪問先を検討し、教員や現地と相談の上、翌年4月までに決定した。その後、ゼミ生全員が訪問先についての情報を共有できるように、6月中旬までに班ごとに事前調べをまとめた。2019年春学期の最後に訪問先で質問したい内容などを共有し、校外実習に臨んだ。 校外実習後には、校外実習時に取ったメモを各自で夏休み中にまとめさせ、そのうえで、2019年秋学期の最初に、「すべての人におもしろくあるようなまとめ方を、どうしたらできるのか」というテーマで、全体でのまとめ方に関するワールドカフェを実施した。多くのアイディアが出たが、動画を作成してSNSで発信したいという意見が多かったので、報告書とともに動画を作成することとなった。教員は一切かかわらなかったが、訪問先からも評価されるような質の高い動画を学生だけでつくりあげたことを評価したい。 校外実習を実施するにあたって、班ごとに定めた目的のほかに、全体での目的を私が設定した。2019年の校外実習の全体の目的は、「ソーシャルな現場で活躍する方々の生き方に触れる」とした。というのは、私が尊敬していたり、素晴らしいと思ったりしている人々にゼミ生を会わせたいと考えたからだ。置かれた状況はさまざまであっても社会のためを思って実践を重ねている社会人をみてゼミ生が何を感じ取ることができたのか。水俣市、諸塚村、山都町、西原村などのそれぞれで得た知識も大事だが、校外実習を通じて感じたこともそれ以上に大事だと思う。ゼミ生が考えたことの一例として、以下をご覧いただきたい。 ゼミ生メッセージ 校外学習で学んだこととして、一番大きなキーワードは「つながり・仲間」だった。訪問先の多くが震災や災害、水俣病の被害等、苦労をしてきた地域だったが、地域やボランティアによって助け合いながら、復興を遂げてきた地域だった。農家の方は、作業を通してはもちろん、農業の良さをほかに伝えていくことで、つながりを作り、ヒトの健康を考えて野菜を作っていた。このような行動は、自分に返ってくる利益だけを考えていたら、絶対にできない行動である。 また、災害時には地域のつながりがあったおかげで、お互いを救助しあい助け合ったために多くの被害を防ぐことができたという。都会に住んでいると、自分の生活で精一杯になり、他人に気を配ることを忘れていることに気が付いた。 水俣病患者を援助しながら生活している方も、自分が実際に経験しなかったことだが、「患者さんのために」という考え方をもとに活動していた。訪問した先すべてに共通している点として、「誰かのために」という考えがあることが分かった。 これまでの自分の生活を考えてみると、自分がやりたいことやかなえたいことは自分が最初に始めるべきだという考えを持っていた。 しかし、実際に現地でお話を伺った後に考えてみると、いつも誰かが私の目標や夢を応援してくれていて、目標の成功には誰かの協力が必ず必要だったことに気が付いた。 自分が知らないうちに、ほかの人の力に頼っていることにも気が付き、今までの自分の行動を反省した。 校外学習を通して、自分が得る利益よりも、他人を助けてあげられるまでの余裕を身につけたいと感じた。「仲間」や「つながり」は自然に生まれることかもしれないが、助け合うことは容易ではない。 しかし、すべての人は、小さなことでも助けを求めていることが多い。そこで、私たちは何かしらの適切な行動をとることが求められているのだ。 訪問先の方々から学んだことをもとに、他人が支えてくれていることに常に感謝し、身近な人とのかかわりの重要性を常にかみしめながら行動していきたいと思った。 また、周りの人達に自分は何ができるのか、どんな行動が役に立つのかを考えて行動していきたい。 沖縄県 青柳ゼミ 流行る沖縄から生きる沖縄へ―理解のパラダイムシフト 主な訪問先 栄町(まちぐゎ~探索)→沖縄市(コザの街視察)→うるま市(現代版組踊とその歴史的根拠を探る)→大浦湾久志地区(民泊体験)→本部町(海洋文化の理解)→那覇国際通り(文化のコンタクトゾーン探索) 実習内容 「島巡り」の異名を持つこの実習では、地元の人々との交流や民泊体験、あるいは郷土資料館の視察を通して、多文化共生の可能性と課題についてゼミ生一同で吟味・考察する目的で、「日本にあって日本にあらず」といわれる沖縄に赴きました。 そして、「唐・ヤマト・アメリカ」という三つの大きな外来の力が地元の価値観やライフスタイルと混交しながら紡ぎ出されてきた「沖縄島」というひとつの文化圏の内部に飛び込み、人文を育みながら、文化比較や異文化理解につながるアカデミックスキルを養っていただきました。 先生メッセージ 「沖縄実習」と聞いて、美しい珊瑚礁の海に囲まれ、心優しい人々に触れながら、観光スポットを観て回り、しばしスローな時間を楽しく過ごせると思い込む学生諸君も決して少なくないのでは?無論、悲惨な過去の戦争体験や今に続く基地問題について学びに行くのだろうと覚る学徒諸君もまた、少なくはないでしょう。 明治政府による琉球処分以来、日本(第二次大戦後は日米)の植民地と化し、今でもその「地政的優位性」が謳われながら、日本政府と企業の誘致による基地と公共事業と観光を軸としたいわゆる「3K開発」が進められる沖縄。その実態がどのようなもので、地元の人たちがどんな思いでそうした開発と日常的に向き合いながら生活を営んでいるかを垣間見に行くことも、確かにこの実習の一面ではあります。 しかし、それ以上にこの実習を通してみなさんに体感し、考察したり再考したりしていただきたかったのは、現地の人々が互いに交わり合い、助け合い、時に対立し合いながら様々な活動を編み出し、自分たちの地域社会を持続させようと蠢く姿であり、そこに自分たちが関わることで新たに紡がれる社交の様相、そしてそんな文化交錯を介して見えてくる自身の生き方や生活世界や素性に他なりません。 民泊をはじめ、訪れる先々でみなさんを待ち構えてくださる方々に寄り添い、彼ら彼女らと互いに語り合い、詫び合うことで、生き方の相違と共通性について吟味し、自分たちの今後の「生」を活性化させ、人生を紡いでいくための何らかのヒントを得られるような学びを、卒論研究やその後のリサーチにも応用できる民族誌ないし民俗誌の技法と共に、この沖縄実習より得てきていただきたいのです。 ゼミ生メッセージ 詳細はこちら 久志の民泊にて、お世話になった民泊先の方々と 勝連城址の頂上で絶景をバックに(上)、コザのまちま~い(街歩き)にてフィールドワーク中のゼミ生(下) 大浦湾のマングローブ林にてエコツアー(上)、沖縄郷土村でのインタビュー風景(下) 久志区の青柳邸(先生の海人ハウス)にて(上)、本部の砂浜にてクリスタルな海辺に戯れる(下) 沖縄県 森ゼミ 異文化コミュニケーションの視点から読み解く沖縄の文化と社会 主な訪問先 那覇市、宜野湾市、沖縄市、読谷村(FMよみたん、コザ・ヒストリート、Torii Station、ユンタンザミュージアム、沖縄国際大学、佐喜眞美術館、沖縄県平和祈念資料館、ひめゆり平和祈念資料館等) 実習内容 日米関係史、異文化コミュニケーション、メディア論、平和学等の視点から、沖縄の歴史や文化/社会的背景について学びます。現地の方々との交流を通して、実際の現場で今何が起きているのかを自らの目、耳で確かめます。小数派の人々の声にも耳を傾けながら、沖縄の基地問題、平和、ジェンダー、環境、ツーリズムの問題についての理解を深めます。 先生メッセージ 校外実習は、それぞれのゼミの担当者が、自らの研究ネットワークを駆使して計画を立てる大変ユニークな企画です。教室での学びと実社会との繋がりを知る貴重なチャンスなので、ぜひ参加してください。 沖縄国際大学の学生との合同ゼミ 静岡県・三重県・和歌山県・奈良県・熊本県 平山ゼミ(転原バンド) ローカリゼーション、特にエコビレッジの体験学習 主な訪問先 南伊豆ニュービレッジ、きのくにこども村、エコビレッジ三角サイハテ、球磨、笑郷まほろば、グリングリン 実習内容 南伊豆エコビレッジでの電灯なし、ガス無し、水道無しの太陽光・焚火・水汲み生活、エネルギー交換の実習と他の3つのエコビレッジの見学、きのくに子どもの村の教育見学。 先生メッセージ 電気のない生活に苦しんだのは初日だけで、焚火料理にすぐに慣れ、実体験でエコビレッジの良さを感じたようである。また、ゼミ生全員で消費の少ない共同生活を乗り切ってゼミの絆が深まった。 小春の村の穴で エコビレッジ「サイハテ」を歩く 焚火料理を始める前に温まる 南伊豆「ニュービレッジ」での大地の再生の演習 〈「校外実習」に戻る 1 2 3 4 5