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韓国

阿部ゼミ

校外実習 韓国

韓国で
人権と平和について考える

主な訪問先

2月9日

明洞聖堂、明洞

2月10日

李舜臣の像、全斗煥の像、世宗大王の銅像、平和の少女像、韓国の学生と交流、弘大

2月11日

戦争と女性の人権博物館、弘大、植民地歴史博物館

2月12日

景福宮、水曜デモ、ソウル市図書館、民主人権記念館

2月13日

北村韓屋村、憲法裁判所前、安国駅、広蔵市場、マリーモンド

2月14日

安重根義士記念館、南山コル韓屋村、N ソウルタワー

2月15日

徳寿宮、徳寿宮・重明殿

明洞聖堂

韓国における民主化運動の「6 月民主抗争」で、デモ隊が籠城した場所に実際に訪れ、ミサに参加しました。 韓国社会の民主化運動やキリスト教の関係性などを実際に見る事で、これから一週間かけて自分の足で現場に行く、校外実習全体に期待するとともに、身の引き締まるような思いになりました。

韓国の学生と交流

始めは、韓国の学生が私たち日本人に対して悪い印象を持っていないかと心配でした。 しかし、学生たちは韓国と日本の問題、女性の人権問題について真剣に向き合っていて、同じ問題について考える私たちの主張も受け入れてくれて、嬉しかったです。 日本の教科書問題についてどう思うか聞いた時、「今日の日本の教科書は、日本政府が『日本にとって大事ではない』と判断した内容を書いていない。 まずは、この状況をなくすことが必要だと思う。 日本政府が判断した『日本にとって大事ではない事』を載せる事で、日韓両国にいる、今まで差別に苦しみ、発言できなかった人の助けになると考える。」という考えを述べてくれたことが印象に残っています。 物事を客観的に考える姿勢を尊敬しました。

戦争と女性の博物館

元「慰安婦」の方々が歩まれた歴史を、数多くの資料とともに振り返る事で、私たちが「慰安婦」問題を通して、戦時性暴力などの向き合わなければいけない事を改めて確認できました。
そして、これらを学び続け、「戦争と女性への暴力のない世界を作っていく一人の活動家」にならなければと、強く思うようになりました。

植民地歴史博物館

私たちの多くは、元宗主国であった日本で教育を受け、「日本が記憶している植民地支配」を学んできました。
そのような私たちが、韓国に行き「韓国が記憶している植民地支配」について知る事は、とても大きな意味があったと思います。
自分たちのナショナルアイデンティティと国際問題を考える際の、普遍的な価値観をどう自分の中で消化させるか、これは実際に、現地に行かなければ、ここまで深く考える事はなかったと思います。
このように、今回の訪問は多くの資料を見に行くのはもちろん、大学で今まで学んだ事を、踏まえて、自らの考えをより一層深く考えるきっかけにもなった、とても価値のある、大切な経験になりました。

景福宮

韓国で日韓関係について研究をしている、日本人研究者の方に、景福宮のパンフレットを作成していただき、景福宮がここに造られた理由、景福宮の存在意義など、一つ一つの建物について歴史的背景を含め、丁寧に説明していただきました。
一番印象に残った言葉は、「今の景福宮がなぜ『偽物』なのか考えてほしい。」です。今回の解説により、「観光名所」としては知らなかった、景福宮を通した日韓の歴史について、改めて深く理解する事ができました。

水曜デモ

会場には大勢の人々が集まり、大音量の明るい音楽がかかっていて、賑やかな雰囲気でした。
一方でそのデモを妨害しようとする団体なのか、詳しくは分かりませんでしたが、違う団体同士が日本大使館前で衝突するような場面もあり、体験した事のないカオスな状況でした。
私たちがデモに参加しても、他の韓国人の参加者から「日本人だから」と何か言われる事もなく、彼らは私たちを「慰安婦」問題に向き合う人の一人として暖かく迎えてくれました。

民主人民記念館

連行者を連れていく時に使うエレベーターや、実際に連行者が歩かされた螺旋階段を上り、取調室を見学しました。
1987年1月14日にパクチョンチョルさんが水の拷問を受け亡くなった部屋などは、当時のまま展示されていました。
取調室といっても雰囲気は刑務所のようで、実際に中に入れる部屋もあり、かつての連行者が受けていた心理的拷問を体感できました。

マリーモンド

「慰安婦」問題についてゼミで学んできましたが、このブランドができた背景や存在意義を説明していただき、女性に対する性暴力や児童虐待について改めて考え直す機会になりました。
全ての商品のデザインには意味が込められていて、どれも魅力的でした。値段も決して高過ぎず、このような形で、「慰安婦」問題に対して貢献でき、嬉しかったです。
性暴力や児童虐待などの人権問題に関心がある人は、ぜひこの活動に参加してほしいと思いました。

安重根義士記念館

記念館に入ってすぐ「大韓独立」と書かれた大きな横断幕を背にした安重根義士の銅像があり、とても印象的でした。
安重根の人生を多くの資料やレプリカなどを通して、詳しく知れました。韓国の視点から、1900年頃の韓国の独立運動や、日韓の近現代史を学ぶ、貴重な経験になりました。

徳寿宮・重明殿

第二次日韓協約が結ばれた場所で、日韓協約とはどのような条約か、どのような状況で結ばれたのかなど、多くの映像や模型などで、学ぶ事ができました。
この一週間、今日の「日韓問題」を考える際、重要になる出来事の現場などに行き、日韓の近現代史や、平和、人権などについて改めて学び、考え、悩み続けました。
その最後の場所として重明殿に訪れ、学び続ける重要さを、改めて一人ひとりが強く感じました。