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3.個別活動1.本研究の概略 本共同研究は、仏教(ヴィーシィ)、キリスト教(久保田)、イスラム教(大川)を専門領域とする宗教文化研究者が共同で行っている。それぞれの立場から、宗教の境界を超越する現象について調査分析し、宗教間や聖俗の境界が変容するダイナミズムについて検討することを目的とする。2.全体活動(1) 研究会 本年度は研究会を三回行った。第一回(6月16日)では各自のこれまでの研究成果を紹介しつつ、本共同研究へのアプローチ方法について意見交換を行った。第二回(11月4日)は研究成果報告に加え、共同現地調査の計画案を練った。第三回(1月21日)では各自の研究成果報告を行い、共同調査の訪問先の絞り込みを行った。(2) 合同調査 2022年3月10日に合同調査を行った。東京ジャーミィ付属のカフェ、真宗本願寺派の寺カフェ代官山、アライズ東京キリスト教会付属の預言CAFÉ高田馬場を訪問した。カフェの運営実態や運営者からの聞き取り調査を実施し、今後さらに聞き取りを深めるための土台形成を行った。これらを通して、カフェが宗教内外(聖俗)の境界線を変容させつつある可能性をつかむことができ、本共同研究の今後の進め方が明確になった。(1) 仏教研究[ヴィーシィ・アレキサンダー] このプロジェクトにおいて自分の分野は仏教寺院という空間を中心にして仏教教団・宗派と一般社会、寺院施設(境内・建物・荘厳仏具など)と村落、僧侶と在家、住職と檀家の関係に注目し、今まで近世時代の関東在地寺院の資料分析に基づいて上記の様々の交流を研究してきた。村落内で各宗派の教義、僧侶の授戒によるアイデンティティ変更、教団の所有権、葬式を行う権利、身分制度により、各教団は寺院と村の境界を高めようとした。私の研究は在家・村民の管理権と保護者・後援者の役割に注目することで、その寺院対村落の境界の流動性に注目し、教団・住職と藩・村民・檀家の関係は固定的なものではなく、事情により調整(negotiated)されたものであるということが明確になってきた。 今年は論文二点を完成し、一つは仏教僧侶の意識形成と存在表現にとって極めて重要であっ 37宗教的境界の変容─空間と他者認識を中心に─(中間報告)大川玲子 久保田浩 ヴィーシィ・アレキサンダー

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