◯曲ごとに思い浮かぶイメージの違い(学生i) 今回は紺野陽吉の弦楽三重奏曲、ドヴォルザークの『アメリカ』の演奏を聴きましたが、この2つからは異なる風景が浮かんできました。 紺野陽吉の曲は、「和」のイメージを持ちました。彼はあまり有名ではないとのことですが、大河ドラマなど、どこかで聴いたことあるような印象を受けました。弦楽器で演奏していますが、太鼓のような音など、お祭りのような風景が浮かんできたり、これから戦に向かっていくような情景を思い浮かべることもありました。日本人だからこそこのようなイメージを持ったのだと思います。普段あまり「和」がイメージされる曲を聴く機会はありませんが、情景をイメージしやすく、とても聴きやすかったです。 一方、ドヴォルザークの曲は全く異なるイメージを持ちました。演奏者の方が土っぽいイメージを持っているとおっしゃっていましたが、私も広大な草原など自然をイメージしながら聴いていました。また、故郷のチェコを想っていたことから民謡らしさが感じられたり、黒人霊歌の影響を感じられる部分もありました。 曲ごとのイメージの違いや、1つの曲のなかでも楽章ごとに曲調が異なっていたりと、さまざまな風景や背景を思い浮かべることが出来るので、とても興味深く聴くことができました。◯ドヴォルザークの『アメリカ』からイメージできるもの(学生j) チェコの国民楽派を代表するドヴォルザークの『アメリカ』は、アメリカだけでなく、チェコも想わせる曲です。爽快感のある第1楽章から始まり、第2楽章ではチェコの民謡を思わせる曲調でドヴォルザークの故郷であるボヘミアを表現しているようです。第3楽章は、彼がアメリカで滞在したアイオワ州のスピルヴィルという街の、のびのびとした雰囲気を感じられました。第4楽章では、機関車が壮大な地を走るイメージが浮かんでくる、迫力のあるはじまりが印象的でした。 この曲は黒人霊歌とインディアンの文化の影響を受けています。それは、黒人とインディアン、そしてチェコを感じられるアイオワ州に滞在したからこそだと感じました。彼が院長を勤めたニューヨークの音楽院は、19世紀末では珍しく、黒人の入学が許されていました。そのため、ドヴォルザークは黒人との交流も積極的にすることができました。彼がアメリカで滞在したアイオワ州は、もともとインディアン居留地が散在する地でした。さらに、アイオワ州はチェコ移民が多く、故郷を感じられる場所でした。このことから、作曲された地の特徴についても注目してみると、その曲をより深く理解できると思いました。◯編成と国民学派(学生k) 紺野陽吉の曲は弦楽三重奏ですが、ドヴォルザークの『アメリカ』は弦楽四重奏でした。二つを聴き比べた時に、ドヴォルザークの方は、奏者が一人増えただけで曲に厚みが出て、より一体感があるように聞こえました。また、聞いていて安心感がありました。一方、紺野陽吉の曲は3人の個々の音がより鮮明に聞こえてきました。先生が、弦楽四重奏曲は沢山あるけれど、弦楽三重奏曲はそこまでないとおっしゃっていました。調べてみると、弦楽四重奏はさまざま22
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