◯2曲の違い(学生g) 今回久しぶりに近い距離で演奏を聴くことができ、とても貴重な経験となりました。 日本人作曲家とチェコ人作曲家の作品が演奏されたので、聴いた時の違いに注目して聴きました。聴き比べた時に、ドヴォルザークの『アメリカ』では、1つ1つの楽器が目立っているように感じました。そう感じた理由としては、どの楽器にもソロのような部分があったように思えたからです。一方で、紺野陽吉の弦楽三重奏曲は、1つ1つの楽器が目立つというよりは、同じ旋律を繰り返しながら、和音を大事にしているように感じました。 私が上記のように感じたのは、2つの曲のイメージの違いもあるかもしれません。ドヴォルザークの『アメリカ』は、チェコののどかな風景が思い浮かびました。まるで旋律が風のように吹き抜ける印象を受けました。紺野陽吉の弦楽三重奏曲では、日本らしい和音が使われ、人々が集まって盆踊りを踊るような祭りが思い浮かぶ曲でした。 イメージ一つ取っても、曲から感じ取れるものは様々あると感じました。よっては次回も開催できるかどうかはわかりませんが、また参加できるといいなと思います。 「指揮者がいない中で誰がリードしているのか」という疑問があります。当たり前に指揮者がいない演奏者のみの演奏を聞いていましたが、たしかにどうやって演奏を合わせているのだろうと思いました。お聞きしたところ、ファーストヴァイオンがリードすることが多く、場面によって他の楽器がリードすることもあるということでした。司令塔がいない分、1人だけが先走ってしまったり逆にマイペースすぎてもいけないので、息を合わせるのが難しそうと思いました。また、演奏中に演奏者の息遣いが聞こえてきますが、それも演奏を合わせる上で大切なのではないでしょうか。 なるべく演奏者全員が納得のいく曲のイメージを持つために、演奏中だけでなく演奏以外の時間でコミュニケーションをたくさんとるようにする、という話もありましたが、演奏で息を合わせるためにもとても重要であると思いました。◯『アメリカ』に込めたドヴォルザークの思い(学生h) 演奏を聴いていく中で、汽車が走るような軽快なリズムを感じさせるところがありました。最初は故郷から離れた遠くの地での新しい出会いに対するワクワク感を表しているのかなと思いました。ところが調べたところ、ドヴォルザークは機関車がとても好きだったらしく、アメリカへ渡った理由の一つにはアメリカ大陸を横断する汽車が見たかった、ということがあるほどであったそうです。ドヴォルザークの持つ汽車に対するロマンとあこがれを感じました。 アメリカを楽しんでいるかのような軽快な演奏の中、なんとなく暗い印象をうけることもありました。『アメリカ』は黒人奴隷が故郷を思う黒人霊歌の影響を受けていることもあり、それに触発されたドヴォルザークの故郷への思いが伝わってくる気がしました。『アメリカ』はドヴォルザークのアメリカを楽しんでいる様子と故郷を偲ぶ二つの思いが込められていると感じました。サウンドスケープと平和研究(最終報告)21
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