H.I.S.メルボルン支店: 高橋駿太 【2011】

私が海外ビジネスインターンシップを志望した理由は、自分の成長の場としてとても良い機会ではないかと感じたからでした。大学生活を何の変化もなく過ごしてしまうのはあまりにももったいないことだと感じており、海外インターンシップは私にとってとても魅力的で刺激的なものに思えました。そして2010年には国内でインターンシップを行い、働くことへの意欲が増したこともあり、今度は誰も知り合いがいなく言語も違うところでいろいろな経験をしたいと思い、海外ビジネスインターンシップに応募することにしました。社会で働くことはいったいどのような事なのかを学び、海外生活を通して柔軟な思考を養うことを大きな目的としてこのインターンシップを行おうと決めました。

観光業界へのインターン 

 今回私が海外ビジネスインターンシップを行った場所はオーストラリアの第二の都市であるメルボルンのオフィス街でした。多くの会社が立ち並び、観光地とも程近いエリアでした。職場はメルボルンのメイン通りに面しており、交通の便も良く多くのオフィスビルやショッピングモールなどが立ち並ぶ活気のある場所でした。
 そこで私は日本発の旅行代理店であるH.I.S.メルボルン支店にてインターンシップを行いました。以前から観光業界に興味があり、自ら希望を出し旅行代理店でのインターンシップが実現しました。
 インターンシップ先では、オフィスで働く一人の仲間として迎え入れてくださったように思えます。一人の仲間として空間や時間を共有し、共に仕事をさせていただきました。決して大学生だからといって仕事を任せてくれないようなことはなく、自分から仕事を求めれば信頼して任せてくださいました。H.I.S.メルボルン支店は以前にも旅行関係の仕事を志望している大学生や専門学校生のインターンシップを受け入れた経験があり、受け入れの態勢やフォローなど事細かにしていただきました。

インターン中の業務

 旅行会社では日本国内からメルボルンに来る観光客のサポートをするインバウンドと呼ばれる仕事と、メルボルンから日本国内へ行く観光客のサポートをするアウトバウンドと呼ばれる仕事がありました。私はそのうちのアウトバウンドの方で仕事をすることになりました。どちらもお客様のサポートをする点では変わりませんが、対応の仕方や扱う内容が少し両者では違っていました。
 具体的な仕事内容は航空券、ホテル、その他の手配や電話対応、メールの返信、接客対応が主な業務でその他にも書類の整備、パンフレットの整備、ホテルや銀行に出て行っての外回りの仕事などもやらせていただきました。オフィスで働いている方が少人数であったこともあり、どんどん積極的に仕事をやらせていただくことができました。
 最初に与えられた業務は書類やパンフレットの整理でした。旅行代理店には渡航者情報やパスポート情報などといったとてもデリケートな情報がたくさんあり、そうした情報を整理することはとても重要な仕事で、責任感を持ってその仕事をすることが出来ました。
 二日目からは電話対応の仕方やパソコンを使っての仕事も実践しました。電話対応はほとんどが日本語を使っての対応とのことでしたが、意外に英語を使っての対応も多く、初めのうちは緊張してうまく聞き取れず苦労しました。しかし日を追って少しずつお客様と会話が成り立つようになり、とてもうれしく思いました。毎日同じことを繰り返すのではなく、オフィスで働いている方々は電話対応の際にどのような話し方をしているのかを見たり聞いたりして学び、自分も工夫して少しずつできるようになりました。よく観察し、自分なりにやりやすい方法を見つけながら仕事をすることも大事だと感じることも出来ました。
 航空券やホテルの手配ではお客様から日程などを聞いてインターネットで空き情報や値段などを調べ、その情報をもとにやり取りを交わしながらの仕事でした。この仕事はとても気を使い、緊張する仕事の一つでした。実際にお客様を接客した際には、お客様は私のことをオフィスの人間の一人として見ています。職場の方はとても責任のある仕事を私にも与えてくださったと感じました。
 その後、電話対応やメールの返信などは毎日行うようになり、さらに航空券やホテルの手配などもどんどんやらせていただきました。そのほか、自分に出来ることはないかと探し、暇な時間を作らずに毎日が充実したインターンシップを最後までやりきることができました。

仕事で大切なこと

 今回のインターンシップでは、働くことに関して今まで感じてこなかったことを多く感じることができ、気づくことができました。
 まず職場で必要なことは信頼関係であると感じました。同じオフィスで働く人たちの間でよい人間関係が成り立っていないと仕事は円滑にかつ正確に行うことは難しいのではないかと感じました。良い人間関係があり信頼し合える人間がいなければコミュニケーションがうまく図れず、失敗や混乱につながってしまうのではないかと思いました。今回のインターン先ではわからないことや多くの情報を交換し合える空気ができていたので、私もわからないことは聞くことができ、安心して仕事に打ち込むことができました。職場ではこのような空気作りも必要なことなのではないかと感じました。
 次に大事なことだと感じたのは確認作業についてです。これはお客様との間で仕事をする上ではかなり大事なものだと感じました。航空券やホテルの手配などは、手配してから間違いに気づいては時間とお金の無駄につながり、お客様からの信用も失ってしまいます。このことは職場で働いている人にも確認作業は必要以上に行うように教えていただいたのでやはり大事なことであると確信しました。また職場で働く人同士での確認作業もとても大事なことだと感じ、わからないことや質問などは聞くようにしていました。そこで私が気をつけていたことは、まず自分で考えて自分なりの答えを出しておくということでした。それをしておかないと質問したときに自分が何をどこまで理解しているかを伝えることが出来ず、そこで無駄な時間が発生してしまうからです。また自分なりの答えを出しておくことで自分の意思も伝えることもできるし間違いも減らせることができ、さらにはより良い答えが出たりすることもあり、先を見据えて要点をまとめて仕事をすることが大事だと気づくことができました。
 私は今回のインターンシップ期間に毎日が意味のあるものにするために、工夫しながら仕事を進めてきました。そのためにはメモを取ることはもちろん、よく観察し、よく考え抜くことが大事だと感じることができました。できなかったことをそのままにしてしまうのではなく、帰ってからどうするべきだったのか考え、次の日にはそれができるように準備をする。それらの行動は無駄な時間を作らないことや職場での信頼関係を構築することにもつながっていたと思います。お互いに気を使いあい、職場の人やお客様に思いやりがあり、真心をこめて何事にも取り組むということが社会に出て働くときに一番必要なことなのではないかとインターンシップを通して感じることができました。

見えてきた課題

 今回のインターンシップを終えて学んだことを活かし、これからの課題を幾つか見つけることができました。まず言葉遣いや社会でのマナーをしっかりと身につけることです。インターンシップ中にも気を遣っていたことですが、やはり自然と出てしまう言葉ほど普段から使っている言葉遣いになってしまい、徹底することは難しかったです。まだまだ社会人としての心構えが足りないと思い、まずは言葉遣いから気をつけ社会人として恥ずかしくないマナーを大学卒業までに身に付けようと思いました。
 つぎに感じたことは知識や教養を豊かにすることです。今回の旅行業でのインターンシップでは特に知識や教養がものを言う業界ではないかと感じました。オフィスで仕事をしていた方々は様々な知識を持っており、お客様との会話もとても勉強になりました。それを見ていて私も社会に出る前に色々な知識を得ておきたいと感じました。仕事を円滑に進めることだけでなく自分の人生をも豊かにすることができるとも感じました。
 未だに見えていない課題がたくさんあると思いますが今回のインターンシップで感じることができたことを今後の生活では意識していこうと思いました。
 

ホームステイと現地での生活

 今回のインターンシップではメルボルンシティーから少し離れたところのホストファミリーのお宅でホームステイをさせてもらいました。ホストファミリーはとても良くしてくれて毎日なんの問題もなく生活することができました。ビジネスインターンということもあってあまりメルボルンの街をじっくり見ることができていなかった私を休日などにいろいろなところに連れて行ってくれました。美術館や博物館、映画館、ビーチ、ホームパティー、展望台など、日本では考えられないようなスケールで行った先すべてが新鮮で心に残る貴重な体験ができました。暇があればどこかに連れて行ってくれたり声をかけてくれたりしたので何でも試してみようと思い、本当に多くのことを経験させてもらいました。
 ホストファミリーとは初日からとても仲良くなることができ、毎日が充実していました。人の出入りが多いファミリーだったのでいろんな出会いがあり、誰もが自分に興味をもって話しかけてくれました。そのような環境だったからこそ英語を話す機会がとても多く、伝えたい気持ちが積極的に英語を使うチャンスを与えてくれました。メルボルンはいろいろな文化が混ざり合ってできた都市だったので日本の文化も多く受け入れられている印象がありました。来るものを拒まないといったスタイルでとても過ごしやすいと感じました。三週間のホームステイは本当にあっという間に感じられもう少し一緒に生活していたいと感じるほどでした。日本に帰って来た今でもメールやインターネットを通して交流できていることや、メルボルンにも帰る家があるような感じがしてとても嬉しく思います。
 ホームステイや出会った人たちとの会話を通して、皆自分の意見をしっかり持っていると思いました。そしてその考えを人に伝えることに喜びを感じ、人と話すことがとても好きな人が多いと感じました。この点は日本人や日本の文化とは少し異なる点ではないかと思いました。日本では他人の思っていることを察することでよいコミュニケーションを築き上げることが可能ですが、オーストラリアではそうではありませんでした。なにもかもそうである訳ではありませんが、やはり言いたいことは言わないと伝わらないし、自分の意見を持っていることが当たり前でした。そうであるからこそ個性をとても尊重していると感じたし、話すことで分かり合えることができると感じました。とにかくメルボルンにいる間はいろんな人に果敢に話しかけるようにしていました。ちょっとしたところでも会話が生まれ、互いに気持ちよく生活できるのはとても素晴らしい文化だと思いました。
 私は今回が始めての海外生活だったのですが、何の不安や違和感もなく生活できたのはその土地の文化や生活様式にすんなり自分を適応することができたからだと思います。初めてだったからそれがうまくいったのかもしれませんが、とにかく全てを受け入れるスタンスですぐに馴染むことができました。その点で柔軟な思考を養うといった当初の目的を果たすことができたようにも感じます。

海外インターンシップを終えて

 私は一度しかない大学生活において、今回の経験をとても意味のあるものにすることができたと感じています。仕事においても海外生活においても全てがこれからの私の人生や価値観に大きな影響を与えることは間違いないと感じています。たくさんのことを学ぶことができ、経験することができました。とにかく失敗を恐れずにチャレンジすること、後悔をするくらいならやってみるということがどれだけ人生を豊かにし、生きていく力となるかを実感することができました。
今回なにも知らない土地へ一人で行き、いろいろなことがあった中でも何とかなり、いろんなことを吸収することができたことは人間的にも成長できたと思うし、とても幸せなことだと思います。失敗を恐れずに一歩踏み出してみること、後悔をしないために一声かけてみること、これらは今後生きていくうえで常に挑戦し続けていきたいことだと感じます。過ぎ去ってしまってからでは遅すぎるということを職場の人との会話でも感じました。今しかできないこと、今だからこそできることなどを悔いが残らないようにチャレンジしていきたいと思います。また、これからもっと視野を広げ未知の世界をもっと知り、いろいろな考え方ができる人間になっていきたいと思います。

2011年12月